河井案里著『天国と地獄』を読んだ。率直な感想として、今年読んだ中で一番面白かった本かもしれない。2021年の河井夫妻選挙違反事件を、当事者の視点から描いた衝撃の一冊。
当事者だから描ける「答え合わせ」
当時メディアが報じていた違和感を、当事者・河井案里の視点からインプットすることで、「なるほどな」「やっぱりな」といった答え合わせができた一冊。そしてそれは、今の政治ともつながっている。世間一般的にはあまり知られていない選挙の仕組みや、過酷な舞台裏のリアルに目から鱗が落ちまくった。
ユーモラスで知的な筆致
かなりの恨みや悲しみを抱えながら書いたのだろうと思いきや、全体的にはとてもユーモラスで知的。彼女にしか描けない描写で構成されている。シニカルでありながら希望も見える。これは絶対、映画化したほうがいい一冊だと思う。
大学時代の同級生として
実は大学1年生のときにアドグル(入学直後の少人数グループ)で一緒だった。当時の印象はとても柔らかく、ふわふわしていて、可愛らしく知的な女性。その面影をしっかり残したまま、こうも芯のある人間になっていったのかと感じさせる一冊。著書としての表現力、内容の面白さは保証する。

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