8月1日の夜、地元・茅ヶ崎のサザンビーチちがさき花火大会に行ってきました。台風で中止になった前回を挟んで、2年ぶりの開催です。

その終盤、「終わったのかな、少し早いな」と歩き出したところで、光の筋が夜空に上がりました。それがフォーメーションを組み、浮かび上がったのは花火ではなく、ドローンが描いたメッセージと——QRコードでした。周りからは「おおーー」という声が上がっていました。

帰ってから気になって調べてみると、これがとてもよく設計された企画だったので、今日はその話を書きます。
目次
1. あの夜、何が起きていたのか
2. 企画として、どこがうまいのか
3. ドローンが担っていた2つの役割
4. あわせてどうぞ
1. あの夜、何が起きていたのか
あの演出は、キリンビールの「晴れ風ACTION 未来につなぐ希望の花火 2026」という企画の一部でした。発表資料によると、こういう仕組みです。
- 全国で中止となった花火大会の、打ち上げられなかった花火玉を集めて、この大会の中で打ち上げる
- その様子をドローンの空撮でライブ中継する
- 中継の視聴数に応じた金額が、全国の花火大会の支援活動に寄付される
つまり、私があの夜見た花火の中には、どこかの町で上がるはずだった花火が混ざっていたことになります。それは知らずに見ていました。

2. 企画として、どこがうまいのか
広告の仕事を30年近くやってきた目で見ると、この企画には見どころが4つあります。
ひとつ目は、「見ることが、支援になる」という参加の設計です。募金をお願いするのではなく、中継を見るだけで寄付につながる。参加のハードルを限界まで下げてあります。
ふたつ目は、新しく作ったものがほとんどないことです。中止で行き場を失った花火玉という「すでにあるもの」を集めて、そこにライブ中継という仕組みを足しただけ。それで「復活の花火」という物語が立ち上がっています。
みっつ目は、乗っている波です。花火大会の中止や存続の問題は、ここ数年ずっと社会の話題になっています。自社の商品の話を、社会の話に接続してある。だからニュースにもなります。
よっつ目は、出すタイミングです。観客が「終わったのかな」と歩き出しかけた、気持ちがいちばん高まっているその瞬間に、光の筋が上がる。私も現場で「おおーー」という声の中にいましたが、元広告会社のCDとしては、ここにはあっぱれと言うほかありませんでした。
こういう「仕掛けの読み解き」はLINEの連載でも毎週やっています。よろしければこちらからどうぞ。
▶ LINE公式「企画実装ラボ」 https://lin.ee/P20ubvR
3. ドローンが担っていた2つの役割
そしてこの企画を物理的に支えていたのがドローンです。あの夜、ドローンは2つの仕事をしていました。
ひとつはカメラです。空撮でライブ中継の映像をつくる。視聴数がそのまま寄付額に変わる設計なので、映像そのものが支援金を生む装置になっています。
もうひとつはサイネージです。夜空にQRコードを描いて、会場にいる観客をその場で中継と支援の輪につなぐ。花火を見上げているその視線の先に、入口を置いてあるわけです。
正直に書き添えると、私もその場でQRコードにスマホをかざしたのですが、距離のせいか、読み取れませんでした。アイデアと実装の間には、まだ伸びしろも残っています。
その夜の様子は、ショート動画にまとめました。
私はドローンを映像制作の道具として10年以上使ってきましたが、この夜のドローンは「撮影の道具」を越えて、事業の形そのものを支える部品になっていました。この視点の詳しい考察は、主宰しているドローンクリエイティブ研究所のノートに書いています。
皆さんの街の花火大会では、今年、空に何が浮かんでいましたか。
ドローンクリエイティブ研究所
ドローンと、まだない仕事を創る。
私が主宰している、ドローンで何ができるかを考えながら実際の仕事も動かしていく場所です。今回のような「ドローン×企画」の設計から、ブランディング映像、観光プロモーション、産業点検の空撮まで。国家資格保有者のネットワークで対応しています。
「うちのイベントでも、こういうことができないか」——そのくらいの段階のご相談から歓迎です。
4. あわせてどうぞ
自分の商品や活動も「社会の話」に接続できないか——そんな相談を1対1で受けています。
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https://hirokinagasawa.com/session


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