Meta「Muse」の使い方 1週間使ってわかったこと|実装ノート第45回

今夜、noteの連載「AI×長澤実装ノート」第45回を公開しました。

MetaのAIエージェント「Muse(ミューズ)」が話題になっているので、この1週間、使ってみました。今回は、その使い方と、使ってわかったことをまとめた回です。

結論からいうと、MuseはClaude Codeの置き換えではありません。けれど、AIエージェントとは何かを理解する入口としては、とても簡単でわかりやすいと感じました。

青い海を背に、ハワイ風のシャツの男性が、スマホから飛び出してきた白くてふわふわしたキャラクターに驚いて笑っている絵。「Museを1週間使ってみた」の文字と、カレンダー・メール・チェックリストのアイコンが描かれている

Museは10月23日に日本でも使えるようになりました

Metaの発表によると、Museは9月に北米で先に始まり、2026年10月23日に日本でも提供が始まりました。北米以外では、日本が最初の提供地域です。iOS、Android、パソコンの muse.ai で使えます。多くの基本的な機能は無料で、さらに活用したい人向けにはサブスクリプションもあります。

紅葉した木々と湖、富士山を背に、白くてふわふわしたMuseのキャラクターが日の丸の小さな旗を持って立っている(Meta公式の画像)

画像:Meta

始め方はアプリを入れて話しかけるだけです

  1. スマホにアプリ「Muse」を入れます(パソコンなら muse.ai を開きます)
  2. ログインします
  3. 最初の会話で、Museが「私を何と呼びたいですか?」と、自分の呼び名を聞いてきます
  4. Gmailなど、つなぎたいアプリを選んでつなぎます

最初にひとつだけ確かめておきたいのが、やりとりをAIの学習に使うかどうかの設定です。オフにもできるので、気になる人は設定から切っておきます。

キャラクターがかわいくて、ツールを使っているというより、アシスタントがひとり来てくれた感じがします。このアシスタント感が、AIエージェントをぐっと身近にしていると思います。

Museのアプリ画面を3つ並べた画像。左は、Museが「私を何と呼びたいですか?」と聞き、「シロ」「マル」「Muse」の候補が出ている。中央は、Gmailの接続から始めるかをMuseが尋ねている。右は、1週間分の献立と買い物リストの提案(Meta公式の画像)

画像:Meta

1週間使ってわかったこと

一番驚いたのは、私がClaude Codeで時間をかけて組んできたことが、Museでは話しかけるだけで実現できてしまうことです。特に、前もってスケジュールのアラートを出してくれる感じが秘書っぽくて、「長澤さん、〇〇忘れてませんかー」と、裏でいろいろリマインドしてくれます。

アプリを閉じても、Museはクラウドの上で作業を続け、状況が変わったときや確認が要るときに通知が来ます。メールの送信や買い物の前には必ず本人に確認する決まりなので、勝手に送られる心配もありません。

秘書ひとりのMuseとチームで動くClaude Code

使いながら、ひとつ気になったことがあります。画面に出てくるのは、基本的にMuseひとりなのです。外とのやりとりを見張る「Sentinel(センチネル)」という別のエージェントはいますが、仕事を頼む相手はMuseだけです。

一方、私は、AIエージェント秘書のひしょっちを窓口に、記事の編集、SNS、研修の準備と、役割ごとに担当を分けています。1人のAIに何でも頼むと、指示どうしがぶつかってしまうからです。

  • Muse:Metaのクラウドにある自分専用のコンピュータで動き、スマホで話しかけるだけで頼めます。なんでもこなす秘書が一体で、始め方はアプリを入れて話しかけること
  • Claude Code:自分のパソコンで動き、窓口の秘書に頼むと担当に振り分けられます。編集・SNS・研修など役割ごとの担当がいて、始め方は役割を書いた設定ファイルを作って育てること(Claudeが読んだ中身は、処理のためにAnthropicに送られます)
MuseとClaude Codeのちがいを並べた表。動く場所、頼み方、体制、始め方を比べている

AIエージェントを知る入口はMuse、仕事ごとに育てるならClaude Codeのチームだと思います。

インスタやFacebookの情報はMuseにつながります

Metaの公式ヘルプによると、Facebook、Instagram、Threadsの3つは、同じアカウントセンターにアカウントがあれば、何もしなくても自動でMuseにつながります。つながりは、設定の「コネクター」からいつでも切れます。ただし、切る前にMuseが覚えたことは、メモリーや会話の履歴に残っている可能性があるので、つなぎたくないものは最初に外しておきます。

クラウドで動く便利さと危うさ

便利なのは、スマホを閉じても仕事を続けてくれること、どこからでも話しかけるだけで頼めること、難しい準備がいらないことです。Museは、Metaのクラウドの上にある、利用者ごとの専用の環境で動いています。

危ういところもあります。自分のデータやログインの情報が、Metaのクラウドに置かれます。サービスの運営や安全のために必要なときは、Metaがデータに触れることを妨げない、とMeta自身が説明しています。海外では、Facebookマーケットプレイスでの売り買いをMuseに任せた人が、許可を「いつも許可」にしていたために、Museが取引相手に自宅の住所を伝えてしまった、という報道もありました(Fortune)。私は、Claudeから自分の情報を吸い上げてMuseに移しました。移すときは、お客さまの名前や金額、社内だけの情報は移さず、仕事のやり方や好み、口ぐせくらいにとどめておくのが安心です。便利さと引き換えに、自分の情報を預けている。その感覚を持って使うのが大事だと思います。

Metaが先に見ているもの

Metaは、Museの先に「パーソナルスーパーインテリジェンス」を見ています。日本では、メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとの連携を進めると発表しています。

これまでのMetaは、広告を見せて、買う人と売る人をつなぐ会社でした。これからは、AIエージェントが本人の代わりに探して、比べて、予約して、買うところまでやる。人とお店のあいだに、Museが立とうとしています。そうなると、お店や会社にとっての問いが変わります。人に選ばれるだけでなく、AIエージェントに選ばれる理由を持てるか。ブランドの仕事をしてきた私には、ここが一番気になるところです。

▼ 使ってみた感想と、つなぎ方・気をつけることの全文は、noteに載せています
https://note.com/hirokinagasawa/n/naf1a9d4854e3


▼ 前回は、AIエージェントへの指示の出し方を書いた回です(第44回)
https://hirokinagasawa.com/archives/34314

▼ 役割ごとに担当を分ける話は、この回に書きました(第42回)
https://hirokinagasawa.com/archives/34195

▼ Metaの発表(日本での提供開始・2026年10月23日)
https://about.fb.com/ja/news/2026/10/muse-personal-ai-agent-launches-in-japan/

▼ MuseとFacebook・Instagram・Threadsをつなぐ(Metaのヘルプ)
https://www.meta.com/help/artificial-intelligence/1687253048996149/

▼ 海外の報道(Fortune)
https://fortune.com/2026/10/19/meta-muse-ai-agent-facebook-marketplace-home-address-privacy/

▼ お仕事のご相談は、アロハ・ブランディングへ
https://alohabranding.com/contact/

▼ AI×長澤実装ノートのバックナンバーは、こちら
https://note.com/hirokinagasawa

▼ 著書『アイデアを「カタチ」にする技術』
https://hirokinagasawa.com/idea/

よくある質問

Metaの「Muse」とは何ですか?

MetaのAIエージェントです。9月に北米で先に始まり、2026年10月23日に日本でも使えるようになりました。北米以外では日本が最初の提供地域です。多くの基本的な機能は無料で使えます。

Museの始め方は?

スマホにアプリ「Muse」を入れて(パソコンなら muse.ai)、ログインします。最初の会話で、Museが「私を何と呼びたいですか?」と自分の呼び名を聞いてくるので、答えます。そのあと、Gmailなど、つなぎたいアプリを選んでつなぎます。やりとりをAIの学習に使うかどうかの設定はオフにもできるので、気になる人は設定から切っておきます。

インスタやFacebookの情報は、Museに勝手に読まれますか?

Metaの公式ヘルプによると、Facebook、Instagram、Threadsの3つは、同じアカウントセンターにアカウントがあれば自動でMuseにつながります。つながりは設定の「コネクター」からいつでも切れますが、切る前に覚えたことは、メモリーや会話の履歴に残っている可能性があるので、つなぎたくないものは最初に外しておきます。

MuseはClaude Codeの代わりになりますか?

置き換えるものではありません。画面に出てくるのは基本的にMuseひとりで、なんでも引き受けてくれる秘書がひとりいる形です。Claude Codeで作るのは、役割ごとに育てるチームです。ただ、AIエージェントとは何かを体でわかる入口として、Museはとてもわかりやすいと思います。

Museを使うときに気をつけることは?

Museは、Metaのクラウドの上にある利用者ごとの専用の環境で動くので、自分のデータやログインの情報がMetaのクラウドに置かれます。Metaは、サービスの運営や安全のために必要なときはデータに触れることを妨げない、と説明しています。海外では、許可を「いつも許可」にしていたために、Museが取引相手に自宅の住所を伝えてしまったという報道もありました。Claudeなどから情報を移すときも、お客さまの名前や金額、社内だけの情報は移さないほうが安心です。

Museの先に、Metaは何を見ていますか?

「パーソナルスーパーインテリジェンス」を見ています。日本では、メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとの連携を進めると発表しています。AIエージェントが本人の代わりに探して、比べて、予約して、買うところまでやるようになると、お店や会社は、人に選ばれるだけでなく、AIエージェントに選ばれる理由を持てるかが問われる、と私は考えています。

HIROKI NAGASAWA

海の近くでクリエイティブに生きる

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