今夜、noteの連載「AI×長澤実装ノート」第44回を公開しました。
AIに仕事を頼むと、それっぽい答えはすぐに返ってきます。でも読んでみると、なんか違う。言い直して頼むほど、ズレていきます。今回は、AIエージェントへの指示の出し方を、ディレクション思考という考え方でまとめました。
結論からいうと、AIの答えが「なんか違う」ときは、ゴール・出発点・文脈の3つを、AIにもわかるように言葉にして渡します。

ディレクション思考は3つを言葉にして渡すこと
ディレクション思考とは、私の定義では、進むべき方向をはっきりさせることです。人が相手でも大事なスキルでしたが、AI時代になると、AIエージェントに方向を伝えるときに役立ちます。
渡すのは、次の3つです。
- ゴール:この仕事で、誰に向けて、どこへ行きたいのか
- 出発点:自分はこの仕事のどこにいて、AIにはどこまで任せるのか
- 文脈:この仕事の背景、条件、相手

例えば「説明会の資料、いい感じにまとめておいて」とだけ頼むと、AIは何かしらまとめてくれます。でも、誰に向けた、何のための資料なのかは、AIにはわかりません。だから、答えが「なんか違う」になります。
相手がAIになっても違和感がありませんでした
私は博報堂DYグループで、プロデューサーからクリエイティブ・ディレクターになり、世にまだない、話題になりそうな広告キャンペーンを企画して、それを実現するためのディレクションを出してきました。独立してからも、アロハ・ブランディングで、新しいブランドの開発など、まだ存在しないものをビジュアライズするための方向付けを行っています。方向を提示することと、そこへ辿り着くための表現。その二つをやってきました。
いまはAIエージェントを育てて、チームで仕事をしています。そのAIエージェントとやってきたことは、クリエイティブ・ディレクターとしてのディレクション出しの仕事と変わらなかったと、最近気がつきました。だから、相手がAIになっても、違和感がなかったのです。
見積書に原価まで書き込まれていました
先日、お客さまに出す見積書を、案件担当のAIエージェントに作ってもらいました。開いてみると、宛名書きに加えて、「社内試算」という断り書きと、自分の会社の原価の計算のもとまで書き込まれていました。
先ほどの3つが欠けていると起こる、典型的な例です。社内で確認するための見積書としては100点でも、文脈が欠けると、大事なお客さまに社内の情報を全部開示してしまいます。
AIエージェントは3つの手順で育てます
手順は3つです。
- 仕事を明確にする:仕事を1つ決めて、ゴールと出発点と文脈を文章にします
- 指示を出す:その文章を、いつも使っているAIの「指示」の欄に入れます。新しいチャットを開くたびに説明し直さなくて済みます
- 育てる:返ってきた答えで気になったところを、指示の欄に書き足していきます
3つ目は、2行足すだけでも答えが変わります。架空の社内交流会のキャッチコピーを5案頼むと、1回目は5案とも20文字をこえていて、どの資料をもとにしたのかもわかりません。「20文字以内にする」「もとにした資料を書き添える」の2行を指示の欄に足して、同じ頼み方でもう一度頼むと、5案とも20文字以内になり、もとにした資料も書き添えられます。

interfmのラジオでも話しています

interfmの「Why So Good?」で、このディレクション思考の話をしています。10月19日に収録して、オンエアは10月29日(木)25時、日付が変わって30日(金)の午前1時からです。テーマは「AIで儲かる組織を作る、ディレクション思考」です。
▼ 3つの手順を入れた、そのまま使える指示文は、noteに載せています
https://note.com/hirokinagasawa/n/n5ec3fe855234
▼ 前回は、AIエージェントと仕事をして連載が決まった話を書いた回です(第43回)
https://hirokinagasawa.com/archives/34265
▼ いつものAIの「指示」の欄がどこにあるかは、この回に書きました(第41回)
https://hirokinagasawa.com/archives/34070
▼ interfmの収録について
https://hirokinagasawa.com/archives/34257
▼ お仕事のご相談は、アロハ・ブランディングへ
https://alohabranding.com/contact/
▼ AI×長澤実装ノートのバックナンバーは、こちら
https://note.com/hirokinagasawa
▼ 著書『アイデアを「カタチ」にする技術』
https://hirokinagasawa.com/idea/
よくある質問
ディレクション思考とは何ですか?
私の定義では、進むべき方向をはっきりさせることです。具体的には、ゴール(この仕事で、誰に向けて、どこへ行きたいのか)、出発点(自分はこの仕事のどこにいて、AIにはどこまで任せるのか)、文脈(この仕事の背景、条件、相手)の3つを、AIにもわかるように言葉にして渡します。
AIの答えが「なんか違う」のはなぜですか?
「説明会の資料、いい感じにまとめておいて」とだけ頼むと、AIは何かしらまとめてくれますが、誰に向けた、何のための資料なのかはAIにはわかりません。ゴールと出発点と文脈の3つが、頭の中にあるだけで言葉になっていないことが多いからです。
AIエージェントへの指示の出し方は?
3つの手順です。1つ目は、仕事を1つ決めて、そのゴールと出発点と文脈を文章にすること。2つ目は、その文章をいつも使っているAIの「指示」の欄に入れること。3つ目は、返ってきた答えで気になったところを、指示の欄に書き足していくことです。
指示の欄に書き足すと、答えは変わりますか?
変わります。架空の社内交流会のキャッチコピーを5案頼んだとき、1回目は5案とも20文字をこえ、どの資料をもとにしたのかもわかりませんでした。「20文字以内にする」「もとにした資料を書き添える」の2行を指示の欄に足して同じ頼み方で頼むと、5案とも20文字以内になり、もとにした資料も書き添えられました。
3つが欠けていると、どんな失敗が起きますか?
お客さまに出す見積書を案件担当のAIエージェントに作ってもらったとき、「社内試算」という断り書きと、自分の会社の原価の計算のもとまで書き込まれていました。社内で確認するための見積書としては100点でも、文脈が欠けると、お客さまに社内の情報を全部開示してしまいます。
interfmの「Why So Good?」に出演した回は、いつ放送されますか?
10月29日(木)25時から、日付が変わって30日(金)の午前1時からです。私が話したテーマは「AIで儲かる組織を作る、ディレクション思考」です。

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