インコの動画でも、仕事になる理由——単純接触効果という法則

vlogの中でも触れたんだけど、「単純接触効果」という心理学の法則がある。別名「ザイオンス効果」。アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが1968年に提唱した、行動心理学の代表的な概念だ。

簡単に言うと、「人は、繰り返し目にするものに、自然と好意を持つようになる」という法則。

これを聞いたとき、僕はものすごく腑に落ちた。営業をしないで14年仕事を続けてこられた理由が、これで全部説明できた気がしたから。

仕事の発信より、関係ない発信のほうが伸びる謎

僕は長年、Vlog、Twitter(X)、Instagram、note——いろんな媒体で発信を続けてきた。不思議だったのは、「自分の仕事に関係する真面目なコンテンツ」より、「全然関係ない、生活の中の何気ない動画」のほうが伸びること。

家のインコが喋ってる動画、めちゃくちゃ伸びた。ドローンで茅ヶ崎の波を撮った映像、けっこう見られた。でも、ブランディングの話はびっくりするくらい誰も見てくれない。

「俺は何のために発信してるんだ」と思ったこと、何度もある。

それでも、仕事は来た

ところが、結果的に仕事は途切れずに来た。「インコの動画見てます」と言ってくれたお客さんが、ある日「実は会社のリブランディング相談したくて」と連絡をくれる。ドローンの動画を見て「茅ヶ崎で会いませんか」となったところから、撮影の仕事が生まれる。

これがまさに、単純接触効果。

何度も画面に出てくる人に、人は自然と親近感を覚える。親近感は信頼に変わる。信頼があるところに、仕事は流れる。

仕事の発信を見せても、相手は「売り込まれてる」と感じて引いていく。でも、関係ない発信を繰り返し見せていると、「なんとなく好きな人」になる。そして、その「なんとなく好き」が、いつか仕事の依頼に変わる。

戦略的に「無駄な発信」をする

これに気づいてから、僕は意識的に「仕事に関係ない発信」も大切にするようになった。サーフィン、移住生活、家族の話、家の中の風景。一見、ブランディング会社の経営者には不要に見えるコンテンツ。

でも、これが効く。

ブランディングの本を読んで、ブランディングの記事を読んで、ブランディングの動画を見ても、それは「ブランディングの先生」にはなるけど、「会いたい人」にはならない。会いたい人になるには、その人の生活が見えていることが必要なんだと、最近は思う。

結論

営業ができないなら、繰り返し見せ続けるしかない。直接的じゃなくていい。むしろ直接的じゃないほうがいい。インコでも、波でも、サーフィン後の何気ない一言でも。

それが、独立して14年、営業せずに仕事を続けてきた答え。


「営業しないで14年」シリーズ ②。ショート動画版もYouTubeで公開中。

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HIROKI NAGASAWA

海の近くでクリエイティブに生きる

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