今朝7時、note で「プルーフ・ブランディング(Proof over Promise.)」連載の第11本を公開しました。
今回は「purpose fatigue(パーパス疲れ)」という英語圏で使われている言葉を軸に、「なぜパーパスへの不信が生まれたか」と「では何をすればよいか」を書いています。
少し前まで、どの会社も競うように「パーパス」を語っていた。私たちは何のために存在するのか。社会にどんな意味をもたらすのか。立派な理念、美しいビジョン。掲げること自体が、ひとつの流行だった。
ところが最近、「わが社のパーパスは──」と聞いた瞬間、なぜか、少しだけ、しらける。英語圏ではこれを「purpose fatigue(パーパス疲れ)」と呼ぶ。生活者が、「パーパス」という言葉そのものに、飽きてきた。

理由は、はっきりしている。立派な言葉ばかりが増えて、行動が追いつかなかったからだ。
海外の調査では、生活者の冷め方はさらに激しい。Havas「Meaningful Brands 2021」では、75%のブランドは明日消えても誰も気にしないと回答。同調査会社はこれを「冷笑の時代(age of cynicism)」と名づけた。Edelman Trust Barometer 2021 Special Report「Trust, the New Brand Equity」では、56%が「企業は社会課題をただの販促の口実に使っている」と見ている。
パーパスとは、「約束(Promise)」のいちばん立派な形だ。だからこそ、行動(=実)が伴わないと、いちばん白々しく見える。
人は、パーパスに飽きたのではない。「言うだけのパーパス」に、飽きたのだ。
私自身、ブランドの「なぜやるのか」を、一緒に言葉にしてきた。いちばん大事なのは、立派なパーパスを「考える」ことではない。その会社がこれまで本当にやってきたことの中から、嘘のない一本を「掘り出す」ことだ。
順番を間違えると、必ず、後でズレる。立派な言葉を行動の前に上から被せると、言葉と実態のあいだに隙間ができる。そして、いまの生活者は、その隙間を、驚くほど正確に見抜く。だから私は、きれいなパーパスを提案する前に、しつこく聞く。「で、それ、本当にやってますか。やる覚悟、ありますか」と。
パーパスが、悪いのではない。実が伴えば、パーパスは、いまでも、ちゃんと効く。問題は、言葉だけが、ひとり歩きすることだ。
終わったのはパーパスではない。実の伴わない、言うだけのパーパスだ。
月曜の朝、ひとつ確かめてほしい。あなたの会社が掲げているパーパスや理念の言葉 ── その後ろに、「やってきたこと」はあるか。あるなら、もっと見せればいい。まだ薄いなら、言葉を整える前に、実を積むことだ。順番はいつだって、そっちが先だ。
来週も Phase 1 を続ける。
毎週月曜、朝7時。
プルーフ・ブランディング ── 約束より、証(あかし)を。


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