那須正幹の「ズッコケ三人組の地底王国」を読みました。
「ズッコケ三人組シリーズ」、長期連載シリーズモノのあり方として勉強になる。
今回の地底王国のようなファンタシーなストーリー展開まで対応できるキャラクター設定って、便利でいいなあ。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
「まあな。たまにはいいだろう」
声にのって、酒のにおいが漂ってくる。アルコール自体はいい香りなのに、なぜ人体をとおるとこれほどくさくなるのか。酒飲のみの不思議である。
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「ちょうど四十になりました」
「じゃあ、おれと同じ年だ。あんたもときどき思わないか。人生の半分が終わっちまった。それも、いいほうの半分が終わっちまったなんて」
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前原が笑って、グラスをあげた。
「初めて、今夜意見が一致したな。じゃあ、日本中のやってらんない四十歳に乾杯だ」
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「わかりました。お話をきかせてください。できる限りのことはやってみますから」
こういうずるい手を年を取るたびい覚えていく。しかたない。これが高度新主義の世のなかなのだ。
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夫婦というのは、鏡である。お互いに同じいらだちや嫌悪をもち、相手にぶつけるものだ。だが、そのときは喜一もしぶしぶ妻に解せざるを得なかった。
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四十歳という年齢は、言葉をつかうという難しい技術では、成人式に等しいのではないだろうか。ようやく下手は下手なりの文書を書けるようになる年なのだ。
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四十歳という年齢では、ほとんどの夢はかなうはずのない幻として、身体から自然に抜け落ちている。
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飄々と仕事をこなし、淡々とひとりで生活し、もくもくとショートピースの煙をあげる。
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「このみょうがだけでいいから、お代わりもらえないかな。だけどさ、四十代ってむずかしいよ。くすぶっていて、湿っていて、なんだか泥みたいなだと思わない?」
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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