池上彰の「伝える力」を読みました。
毎回毎回関心させられるのですが、やっぱり池上彰さんの本は、内容と文体がセットになって分かりやすいですよね(BookLOG参照)。僕は池上さんの本を読むようになってから、すっかり池上さんの大ファンになりました。
この「伝える力」を読むと、池上さんがモノゴトを分かりやすく伝えるために、どれだけの努力をしてこられたのかが良く分かります。作中には、分かりやすく伝えるための実践的なコツも含まれていますので、とても参考になります。
例えば、分かりやすく伝えるためのルールとして「カタカナを極力使わない」というのがあります。当たり前のことですが忘れてしまいがちですよね。
その例として、こんな文書を出して説明しています。
「コンプライアンスのためのリスクマネジメントをコーチングするプログラムをディベロップメントしました」
などという表現は、もはや日本語ではありません。
「確かに!これはないでしょー」と思わず笑ってしまいますが、それと同時に「自分ももしかしたら言っているかもしれないな?気をつけよう」と、考え込んでしまいます。
そんな気づきを多く感じることができる一冊でした。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
「伝える」ために大事なこと。
それはまず自分自身がしっかり理解することです。自分が分かっていないと、相手に伝わるはずがないからです。
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謙虚にならなければ、物事の本質は見えない
理解を深めるにはどうしたらよいか。そのためには、まずはその前段階として、「自分がいかに物事を知らないか」を知ることからスタートするしかありません。
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三十年間に及ぶジャーナリスト生活を振り返って、一つ明らかにいえるのは、よけいなプライドを持っている人は「そこまで」だということです。意味のないプライドが邪魔して、成長できるせっかくのチャンスを自らみすみす逃してしまうのです。実にもったいないことです。
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相手の「ヘぇー」を増やす
あなたの話に興味を持つと、大概の人は「ヘぇー」という感嘆の言葉を発するものです。相手のこの「ヘぇー」は、一つのバロメーターです。
会議で発表したり、取引先にプレゼンテーションしたりするとき、聞き手がどこで反応するか、注意してみていましょう。
自分が面白いと思っていたところで、「ヘぇー」という反応がおこることもあるでしょうし、予想外のところで好意的な反応がでることもあるでしょう。
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叱るのは「一対一が」が大原則
ほかの人がいるところで叱ると、叱られているほうは恥をかかされている意識が先に立って、注意している内容には意識が向かない可能性があります。
それだけでなく、恨みを買うことになり、その部下や後輩はもはやあなたに心を開かなくなるかもしれません。
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褒めるときは「みんなの前で」
叱るときとは反対に、褒めるときはみんなの前で褒めるのを原則とすべきでしょう。
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「もう一人の自分」を育てる
物事を誰かに伝える場合は、独りよがりにならないようにすることです。そのためには、「もう一人の自分」を持って、それを育てていくとよいでしょう。
(中略)
もう一人の自分は、常に自分にツッコミを入れます。
「おいおい、これ、ほんとうにおもしろいのか?」
「なんだよ、これ、なんの意味もないじゃないか」
「なんだか、読みにくい企画書だな。これじゃ、上司は中身がよくても読む気がしないな」
おいおい、改善の余地はまだまだあるぜ、という訳です。
こうして「もう一人の自分」を持つことで、一人ツッコミができるようになります。
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カタカナ用語は社外の人には使わない
「コンプライアンスのためのリスクマネジメントをコーチングするプログラムをディベロップメントしました」
などという表現は、もはや日本語ではありません。
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難しく書けば(言えば)、立派なことを書いた(言った)気になるのは、勘違いも甚だしいのですね。難しいことでも簡単にわかりやすく書いたり、話したりすることこそ、実は難しく、高度な能力なのです。
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相手の立場になって伝える
A ○△鉄道会社は運賃を値上げすることになりました。
B 皆さん、○△鉄道会社の運賃が値上がりしますよ。
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使わない方がよい言葉や文字
・「そして」「それから」=論理的な文書であれば必要がない。
・順接の「が」=逆説時に使う。そうでなければ混乱をまねく。
・「ところで」「さて」=論理の積み重ねの腰を折ってしまう。
・「いずれにしても」=それまでの理論を否定することになる。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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Link: 池上彰の「伝える力」
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