本日のクリエイティブCHECKでは、「最近の映像関連デバイスの進化に伴う注目クリエイティブ表現」を題材に、記事にまとめてみたいと思います。
いつの時代も、デバイスの進化は、今までのクリエイティブ手法をがらりと変えてしまうチカラを秘めています。
近年の映像の世界に限っていうと、Droneの出現(*過去記事参照)やプロジェクションマッピングもそれに値します。
そして、ここつい最近では、高フレームレート化と高画質カメラ(4K→8K→10Kへ)も、この動きに加わりつつあります。高画質化がもたらすであろう、更なるカメラマッピングの演出の進化も、再確認しておくべきでしょう。
まず最初に、こちらは高フレームレート作品の一例を見ていきましょう。
こちらの、3分30秒のPV映像は、実は、たった5秒のワンテイク撮影で作られた作品だそうです。
通常の映像は1秒30フレーム程度なのですが、フレームレートの高いハイスピードカメラで撮影し、これを通常の1秒30フレーム程度に戻すことで、鮮明なスーパースロー映像ができあがります。高フレームレートで撮影する際に演出を加えることで、今までみたことのないような映像を作りだすことができるようになるわけです。
・工場地帯の道路にエキストラ80人を80メートルに渡って配置
・1000FPSのフレームレートでPhantomの4Kカメラを使用
・時速50キロで走る自動車から一気に撮影し1テイクで完了
出典:Makings.jpより
スーパースロー映像の事例として、過去に、東京の地下鉄をスーパースローで表現した映像をピックアップしました。(過去記事参照)
この見たことのない美しいスーパースロー地下鉄映像にみとれたのがつい最近のこと。それを土台として、ここから更にクリエイティブジェンプできるかどうかが、表現者としての能力なのでしょうね。
そういう意味では、今回の5秒ワンテイク映像は、かなりのクリエイティブジャンプだと思います。今後これを軸にあらたな応用例が増えていくことでしょう。
そして、次に、高画質化の例としては、10Kのサンプル映像をご覧ください。
10328×7760 – A 10K Timelapse Demo from SCIENTIFANTASTIC on Vimeo.
10Kもあるということは、今の通常のスクリーンを使用の場合、画像の劣化を全く感じさせずに、一部だけ切り取って表示させたり、永遠にズームしていっても表現力を失わないことを意味しています。SF映画でよく登場する、犯人の特定のためにカメラをドンドンズームさせていくようなシーンが、実際の社会で可能になってくるといういことですね。
10Kの高画質な映像を、とりあえず俯瞰で適当な尺撮っておけば、後から編集でどうかすることができるようになるわけですね。極端な話、そこから一フレーム取り出して、以下のように、カメラマッピング演出を加えることも可能になるのです。
カメラマッピング例。
こちらの映像は、違和感のない立体感をたった一枚の高画質画像から作り上げているそうです。
DUSTS from Mindaugas Pov on Vimeo.
ちなみに、カメラマッピングの作り方のイメージはこちらの映像からなんとなく掴むことができます。
Episode 2.b from Keyframe on Vimeo.
出典:CGトラッキングより
映像関連デバイスの進化は、今後もクリエイティブ表現をがらりと変えていく可能性があります。
しかも、デバイスの進化はどんどん早まっている傾向にありますので、クリエイターとしては表現オプションが今後も無限に広がっていくことでしょう。
その中で、何を使ってどのように表現していくか、表現者としては、そんなことが永遠に問われ続ける時代なのですね。
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