ディーン・R. クーンツの「ベストセラー小説の書き方」を読みました。
ベストセラー作家による、ベストセラー本の書き方。
目からウロコの連続で、とても勉強になった一冊。
物書きをしていく上で、こういったちょっとしたヒントを知っているか知っていないかで、実際書く上では大きな差がでてきますよね。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
一般的に、平均的な読者というものは、小説に次の八つの要素を求めているといってもいいでしょう。
1)しっかりとしたプロット
2)見せ場がおおいこと
3)ヒーローがヒロイン、あるいはその両方が登場すること
4)変化と想像力に富み、しかも説得力のある性格描写
5)明確で自然な登場人物の動き
6)綿密な背景描写
7)わかりやすい文章
8)多少のリリシズムと強烈な印象的イメージを盛り込んだ文体
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いわゆる「純文学」といわれる小説には、正真正銘のヒーローやヒロインは登場しません。この種の小説の登場人物は、たいていが弱く、傷つきやすく、ときにはおよそ虫の好かない人物であることさえあります。この習性のおかげで、エリート向け小説の作家の仕事は、どんなにか楽になっています。ヒーローよりも悪人やか弱い人物を描くほうが、ずっと楽しい簡単なのは、作家なら誰しも認めるところだからです。
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野心的な一般大衆小説をめざせ
編集者たちはリード・タイトルとして使える小説を、大型宣伝予算をじゅうぶん取って、血まなこで探している。というのも、こういうベストセラーこそ最高の収益を出版社にもたらすからだ。
(中略)
出版社が販売促進の目標にできるような、複雑で気迫のこもった一般小説を書くべきである。
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プロットは小説の最大必要条件だ。
小説を成功させるコツのひとつは、実生活上のいろいろな経験に、ピリッときくエッセンスを加えて調理するところにある。つまりプロットの枠のなかに混沌とした現実生活をしっかりあてはめこむことによって、それが意味深い真実の瞬間に結晶されるのである。もし作家が登場人物たちに全権をゆだねてしまったら、知性という冷静で確実な案内人なしに、作品を書くことになる。その結果は、現実の世界に起こるおおくのできごとと変わらぬ、形も意味もない小説ができあがり、そんな小説が読者をがっかりさせるのは目に見えている。
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ものを書くということは、技術であると同時に芸術であり、それは芸術家の側に「思い入れ」、すなわち心の深いかかわり合いを必要とするのだ。「思い入れ」というのはつまり、作家は自分自身がかかわっていることがら、心から感心を持っている材料、気に入っているストーリーや登場人物について書くべきだということだ。
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書いて、書いて、書きまくれ
もしもひとつのストーリーを思いついたら、すぐに、それがたとえ君を金持ちや有名人や人気者にしそうもないアイデアであっても、机の前にすわって、それを書き取ってみることだ。小説を書くという行為そのものが、精神を集中させ、柔軟にし、創造的にするのだ。たぶん書きはじめのころは、出版不可能な題材を山ほど書くことだろう。が、そのうちによいアイデアがどんどん君のなかから生まれてくる。そしてやがては本物にぶつかる。
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古典的なプロットのパターン
1)作家は今まさに恐ろしい困難に遭遇しようとしている主人公を紹介する。
2)主人公はその困難を乗り越えようと努力するが、さらに深みにはまる一方である。
3)主人公が穴からはいあがろうとすると、いろいろとやっかいなことが持ちあがる。事態はどんどん悪化していき、ついに考えつかないほどの困難に巻きこまれ、最悪の事態になる。多くの場合このトラブルは、主人公が問題を解決しようとあがくうちに犯した失敗や判断のあやまりがもたらしたものだ。失敗やあやまった判断は、主人公の個性を形成している欠点や美点の相互作用から生じる。
4)恐ろしい体験と耐えがたい状況によって、深く傷つき、変貌をとげた主人公は、自分自身について、あるいは人間がつねに置かれている状況について、何かを学びとる。彼は取り囲まれている期間な状況から抜け出すためには、自分がなにをすべきかをさとる。彼はなすべき行動を実行に移す。それは成功することもあれば、失敗に終わることもある。しかし成功するほうが多い。というのも読者は、ハッピー・エンドを好む傾向があるからだ。
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最初の三ページが勝負だ
ここ数年のあいだに読んだ原稿から判断すると、新人作家の99パーセントが、小説の書き出しで同じあやまちを犯している。それも絶対許されないあやまちだ。彼らは小説をはじめるにあたって、主人公を過酷な困難にほうりこもうとしないのである。もしも出だしで読者の心をつかむことができなかったとしたら、第一章の終わりまで読者を引っ張っていくことさえできないだろう。
(中略)
読者になにかをあたえなければならない。読者が求めているもの、それは娯楽である。
(中略)
夫や妻や子を失うことは、それがたとえ死によるものでなくても、非常に強力な小説のテーマとなる。人生の不幸な時期を経験すると、人はだれでも、最愛の人を失って生きるということがどんなことかを知る。多くの読者はすでにその苦しみを知っている。だからそれを描いた小説に、彼らは共感をおぼえるのだ。
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注意!物語のなかで起こる事件は、決して作者から読者に対して直接話すかたちで予告されてはならない。
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相つぐ困難によって主人公を追いつめよ
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読者はつねに前へ前へと進みたがるものなのだ!相つぐ困難とは、主人公が問題を解決しようと試みた結果生じる事態と、作家は肝に銘じておかねばならない。
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状況を追いつめる最後の大型爆弾
つぎつぎに組み立てられているプロットの性格を検討し、作者がどうやって最後の困難を最悪のものに仕立てあげたかを観察することだ。
(中略)
主人公がどうやって問題を解決するかが決まらないうちは、小説を書き出してはいけない。自分が放り込んだ苦境から、主人公をどうやって抜け出させるかについて、なんのアイディアも浮ばないままに、原稿の終わりにたどり着いてしまうなどという事態は、君も望まないはずだ。
(中略)
終わりに近づいたら、小説のスピードをあげたまえ。最後の章は、情景や人物の長ったらしい描写に重点を置くべきではない。最後の困難にたどりつき、その結果を明かす用意もととのったとなれば、アクション以外に君が書くべきことはないはずだ。最後の15ページを息もつかずに読んでこそ、読者は本を置いたときに、満足感を得るのである。
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作品に強力なテーマが含まれていることを読者がはっきり気づかなくても、そういうテーマの存在は、小説を豊かにし、そうでない小説よりもずっと人の心を揺さぶるものである。
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テーマは小説を豊かにする
テーマは常に控えめに示さなければならない。そしてプロットの流れに沿ったものでなければならない。実際、本のテーマはプロットによって暗示されるべきであり、他の方法で示されるべきではない。
(中略)
プロット
人物描写
テーマ
アクション
ムード
人目を引くイメージ
気のきいた文章
背景よい小説においては、これらの要素が渾然一体となって、魅力的なストーリーをつくりあげている。
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ヒーローとヒロイン
主人公は高いビルをひと跳びする必要も、弾丸を素手でうけとめる必要もないが、善悪の判断がつき、動物をかわいがるほうがよい。また、毎日歯を磨いてもイメージが損なわれることはない。
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主人公は有能でなければならない
有能さ、勇気、好感、不完全さ
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登場人物の「身上調査書」づくり
1)肉体的特徴
2)声や話し方
3)動作や仕草
4)過去の生活
5)宗教
6)性に関して
7)職業
8)特殊技能
そのほか:恐怖、夢、娯楽、将来の計画、ユーモアのセンス、政治的信頼、異性に対する態度、子供に対する態度、金銭に対する態度、愛情に対する態度、死に対する態度、酒および麻薬に対する態度、理想、後悔の念、一般的な嗜好
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登場人物にいかにもありえそうな動機を与える
愛する女のためなら、主人公はどんな拷問や苦痛にも耐えぬくにちがいないと読者に信じ込ませるためには、彼女を失うくらいなら死んだほうがましだと彼が思っていることを、読者が納得いくように描写する必要がるある。
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会話を自立させよ
会話の話し手については、正確さを期すために絶対必要な場合以外、記してはならない。
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きまり文句を退治せよ
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複数の視点から書くと厚みと幅が生まれる
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スランプ克服法
スランプは次の5つが原因となって起こることが多い。
働きすぎ、自分の作品に対するいや気、自信喪失、経済的な不安、身近な者との感情的なこじれ、がそれだ。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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