阿川佐和子の「タタタタ旅の素」を読みました。
文書から読み取れる阿川佐和子さん、とてもステキな感じの方だなあ、と。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
たしかにおっしゃるとおり。
旅先で得た情報というのは、とかく大袈裟な場合が多いものである。にもかかわらず、大袈裟ゆえに、あとあとまで記憶に残り、固定概念となって定着してしまう。
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いつのまにやら椎茸もタケノコも蕗(ふき)も好物となった。人間の味覚はみごとに変化するものだ。釜めしを食べるたびにそう思う。
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シンガポールへ行った。日本と時差が1時間しかないのに、成田から飛行機で7時間近くかかるなんとなく近いというイメージがあるけれど、案外遠い。
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普段、社内で紳士に見えた人々が、浴衣姿で酔ったとたんに、すっかり本性を表すものかと驚いた。考えてみれば、『みんながやれば怖くない』国民が、『旅の恥はかき捨て』と思いつつ、お酒をたっぷりゆっくり召し上がるのだから、どういうことになるかは、おのずとわかりきっている。
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思い立ったが吉日である。思い立つ日は、人生でそう多くない。
「よし、行こう!」
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私は思いの外ケロリとしている兄の姿と、その兄をなかなか見所があるといった風情で受け入れる父の様子を見比べながら、少しだけ嫉妬したのを覚えている。
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家元を離れてしまった今、したくてもできない旅が、家出である。
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「はい、奥から順につめてください。席を空けないように、どんどんつめて」
拡声器で先生が呼んでいる。なんだか養鶏場のにわとりになった気分で、与えられた食事を胃袋に突っ込み、これを京都の味というにはあまりにみじめと思いつつ、お寺見学開始の覚悟を決める。
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「いやあ、岡山って思っていたよりずっと近いですねえ」
目的地で感想を述べると、
「そりゃアンタ、新幹線でずっと寝てたんでしょ。寝てたら近く感じるよ。起きてた時間しか距離を感じないからねえ」
図星を指されて驚いた。そういうものらしい。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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