Cocktail Short Stories
悪友のためのレッドアイ
「おい、シュウジ! いい加減起きろよ」
早朝5時、シュウジが泥酔状態で、俺の家に文字通り転がり込んでくる。
そして、10時、相変わらず大きなイビキをかいて爆睡するシュウジの肩を揺する。
昔からそうだ。
シュウジは女にふられるたびに一晩飲み歩き、最後は決まって俺の家にゴールする。
俺の平和のためにも、世の中の女子には少し協力して欲しいもんだ。
「おい、シュウジ、もう俺バイトの時間だから出るぞ」
肩を揺すっても微動だにしないシュウジの頬を強めに叩いてみる。
「お〜、分かった。分かった」と、寝ぼけた返事。
こいつなんにも分かっちゃいない。
完全、100%、夢の中で会話してる・・・。
世話のやけるやつだ。
冷蔵庫から冷えたビールとトマトジュースを取り出しグラスに注ぎステアする。
セロリなんて家の冷蔵庫にはないけど、まあいいだろう。
向かい酒のレッドアイ。
「起きたら、それ、飲んでおけよ。鍵はポストな」
これからあと何回このやり取りがくりかえされるのだろう?
ドアを閉め、バイトに向かった。
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