本書は、精神科医ならではの「勝ち組、負け組み」とかの考え方に対するアンチテーゼであり、このような世の中のトレンドに対する処方箋的な位置づけの本なのだと受け止めた。競争などしなくてもちゃんと結果を出すことができる11の法則と80余りの技術や考え方をまとめた一冊。
この本の伝えたい事をスーパー要約すると、以下の通り。
・「先攻型のコツコツマイペースタイプになれば、焦りもなくなり自然と自信が生まれてくるので「自分は自分」という割り切りができ、争わない生き方に繋がる」。
・逆に、競争に負けまいとするからオーバーワークになってしまい、自分のペースを守れなくなった人の方が脱落してしまう。
・「争いに巻き込まれる」=「思い込みが強い人」=「幼児性が目立つ人」。
・争いに巻き込まれるくらいなら、「負ける」選択肢を選ぶのも一つの方法。負ける方法としては、退く、加わらない、レベルを下げる、代案を考える、返事を保留する、助けを求める、といった方法がある。
・「自分は自分、人は人」ができている人には、自分だけの勝ち方がある。
読み易くて腹落ちし易い内容だった。
僕もかつて大病を経験したのだけど(過去記事参照)、確かにその時は自分の「負けず嫌い」な部分=ある種「負」のパワーを、原動力に躍起になって動いていた感がある。正に本書でいう「幼児性」なのだろう。
クライアントを相手にクリエイティブの仕事をしていると、「自分は自分」という考え方を維持するのはなかなか難しい。だからこそ、物理的に(離島という環境に身を置いて)孤独な状況下で、クリエイティブな仕事と向き合うことができる今のスタイルは、現時点のベストチョイスなのだと改めて感じることができた一冊。
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