尊敬するパウロ・コエーリョの作品「アルケミスト」の一節を思い出す日々。
「賢者は少年に、油の入ったスプーンを渡し、それをこぼさずに宮殿を一周するように命じた。一周して帰ってきて、「こぼさずに帰ってきました。」と少年は賢者に報告する。しかし賢者に宮殿はどのような様子だったかと尋ねられ、少年は油に集中していたため、答えられなかった。
次も宮殿の様子を観察するように命じられ、また油の注がれたスプーンを渡された。宮殿を一周して帰ってきた少年は、様子を事細かに語った。しかしスプーンの油はどこかに消え去っていた。
「たった一つだけ教えてあげよう」とその世界で一番賢い男は言った。「幸福の秘密とは、世界のすべての素晴らしさを味わい、しかもスプーンの油のことは忘れないことだよ。」
これは親父からの昔からの教えである「繊細であれ、大胆であれ」に通じるモノがある。自分には、繊細さはあっても、大胆さが足りないことに気付く日々。大胆になれるか否かは人との出逢い次第なのだ。今まで足りなかった部分を、いま埋めようとしているのだと気付く。それ故に恐怖がつきまとっているのだろう。
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