佐藤可士和の「クリエイティブシンキング」

クリエイティブ

 

佐藤可士和の「クリエイティブシンキング」をちょっと確認をしたくて再読しました。

佐藤可士和の「超整理術」もそうですが、佐藤可士和さんは最終的なデザインのアウトプットが天才的なのはもちろんのこと、これに至るまでのプロセスをロジカルに伝達するための「整理」を惜しまない人なのだと改めて思いました。

メモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。

以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバです。

 

 

うまく(クライアントの)本音を引き出そうと思ったら、
「仮説をぶつけてみる」ことが一番でしょう。
「あなたが一番強調したいことは、こういうことですよね」
「こんなことを目指しているんですよね」など、
言葉にして確認してみることをおすすめします。
もし違ったら、どう違うのかを聞き出して、
もう一度自分の頭の中で整理しなおしてから
再度ぶつけてみるのです。

そうやって少しずつ軸を修正していきけば、
お互いの間にイメージのブレが少なくなっていきます。
喩えるなら、カメラのピントを徐々に合わせていくような感じです。

 
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普段からあらゆる事情について見立ての実践をしていると、
抽象的でつかみにくいものをいろいろな角度から立体的に
捉えられるようになり、表現力が飛躍的に豊かになります。
実際、優秀なクリエイターには、見立てがうまい人が
非常にたくさんいます。

プレゼンテーションや講演会での、
目が覚めるような鮮やかな表現には、
思わず引き込まれるものがあります。

 
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心をつかむプレゼンテーション − 説得よりも共感を

現在の僕のプレゼンテーションのスタイルは
ごくシンプルなもので、ほとんどの場合、
自分がその問題に対して考えてきたプロセスを、
順を追って率直にしゃべっているだけです。

僕にとって、
プレゼンテーションは説得の場ではありません。
仕事を一緒にやっていく人たちの共感を得る場だと思っています。
どんな言葉巧みに話しても、
相手を無理やり誘導しようとするものでは、
どうしても抵抗感が生まれ、
それは最後までぬぐい去ることはできないでしょう。

その場の勢いで納得したとしても、
あとから反対意見が出てくるかもしれません。
また、説得しようとするとどうしても、
価値を肥大化させて押し付けがちになってしまいます。
そうならないためにも、プレゼンテーションでは
相手の共感を得ることが重要だと考えるのです。

 
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時代に左右されない人間の根っこの部分を掘り起こし、
本質的な価値を中心に置く戦略を組み立てることにより、
新たな突破口が見えてくる可能性は大きくなるのではないかと
思うのです。

 
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僕が広告会社にいた頃も、「広告は見てもらえるもの」という
暗黙の了解のもとに仕事が進んでいたように思います。

しかし実際は、日常生活での無関心のバリアを突き破り、
人々の意識を本当に惹きつける広告とは相当難しいことで、
一生懸命やっても現実は「見てもらえなくて当然」なのです。

だからこそ僕は、広告の受け手側である生活者の「お茶の間目線」を
忘れないということを、常に思考のベースに置いてきました。

 
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プロジェクトに適したメディア戦略を、
商品と同時に開発していくことが重要です。
言い換えれば、コンテンツだけでなく、「状況」をデザインすることが
求まられているのではないでしょうか。

ここで言う状況とは、
「このタイミングで、このメディアにコンテンツを公開する」
ということで生まれる、「いつもと違う気配」を意味します。
平凡な日常に、うまく新しい視点を持ち込めると、
斬新な驚きや感情が生まれるのです。

 
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僕の役目はあくまでも「引き出し役」であり、
主体はクライアントなのです。

 
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ストーリーを描けるか? コンテンツからコンテキストを作る

最近特に実感しているのが、
「コンテンツからコンテキストを作る」ことの重要性です。
コンテンツは個々の内容、コンテクストはそれらが繋がった文脈
ということになります。

日本のブランドの多くは、
「コンテンツはあるがコンテキストがない」状態に
なっている場合も少なくありません。
この場合のコンテキストやストーリーとは、いわゆる物語というよりは、
ブランドのバックグラウンドやコンセプトなどの大きな軸に沿って、
一つひとつの要素がつながり文脈を成している状況をしめしています。

バラバラだったものがひと続きになると、
各々の前後関係も見えてくるので、
ストーリーを描くことができれば
ブランド全体の輪郭が浮かび上がり、
消費者にとっても分かりやすく伝わって行くのです。

 
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企業スローガン、企業ドメイン、コーポレートプロミスの
3つがストーリーの中核となる。

 
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デザインとは、問題を解決するために思考や情報を整理して、
コンセプトやビジョンを導き出し、
最適な形に分かりやすくその価値を伝えていく行為です。

 
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「使ってもらえれば商品の良さを実感してもらえるはずだから」と
企業の方はよく口にしますが、それは、裏を返せば
使ってもらわなくてはその商品の良さが
消費者には伝わらないということです。

世界中では毎日のように新商品が発売されている現在、
まず手に取ってもらうだけでも一苦労でしょう。
技術が進歩し、見た目だけでは中身の性能や差が
分かりにくくなってきている状態ではなおさらです。

内容は優れていてもそれが全く伝わってこなければ、
商品価値がないことと同じになってしまうのです。

 
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ハマれるものを見つける - 突き抜けると本質が見えてくる

何かを追求し続けて極めると、
どこかである一銭を突き抜けることができ、
今まで見えなかった本質の世界が見えてくるのだと思います。
どのようなジャンルからのアプローチでも、
その本質世界は繋がっていた、
どなたもある同じ風景を見ているような気がするのです。

 

 
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。

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Link: 佐藤可士和の「クリエイティブシンキング」
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