モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」

 

みどりのゆび

みどりのゆび

 

モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」を読みました。

いま、ビジネス書を執筆しようとしています。同時に、頭の中にはなぜか相反する児童向けのストーリー構成や演出が気になって住み着いています。そんな混沌とした頭の中身が自然と体に伝わっているのかは定かではありませんが、気がついたら 「みどりのゆび」を手にしていました。

振り返ると、「伝えたいことを、しかるべき方法で伝えること」を、ずっとずっと模索している人生のような気がします。いつか満足いくモノが表現できるようになることを信じて、願って、突き進んで、挫折して。その繰り返し繰り返し繰り返し。それが当たり前だと思えたときにはじめてジャンプできるだろうか?

思い入れをもって仕事に取り組んでいてもうまくいかない、そんな凹んだ時に、これまたパワフルな強烈な作品に出会うと、ダブルパンチで効いてきます・・・。

それでも僕たち表現者は前に進むしか道はないのです。

 

以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。

 

 

おとなといういうものは、説明できないものをむりやりに説明しようとする、へんなくせがありあます。
だからおよそ、びっくりさせられるといらいらするのです。なにかあたらしいできごとがおこると、それがじぶんの知っていることに似ている、とむちゅうになって証明したがるのです。

 
——————————————
 

「ぼくすばらしいことをみつけたんだ。」
とうんと声をひくめて、チトはいいました。
「花って、さいなんがおこるのをふせぐんだよ。」

 
——————————————
 

なおるためには、たしかに、この子はあすに希望をもたなくちゃいけない。とチトは考えました。ある花は、パッと開いてびっくりさせるやりかたで、きっとあの子の役に立つ。またある花は、まいあさ、なぞなぞをくりかえして咲く。ある日つぼみをちょっとひらく、そのつぎの日はちいさなカエルのようなみどりの葉をひろげる、そのつぎには花びらのひとつがひらく・・・。まいにちの思いがけないことがたのしみで、この子はきっと病気を忘れてしまうだろう・・・。
チトのおやゆびは休みなくはたらきました。
「ぼく、きみがよくなるとおもうよ。」
「あなたもやっぱりそうおもっているの?」
「おもっているさ、保障する。じゃあまたね。」
「またね。」と女に子はおぎょうぎよくこたえました。

 
——————————————
 

「ああ、カルロスはわたしよりもっと気のどくだ。
あのひとはね、じぶんのくにをなくしたんだよ。」
「じぶんのくにを?戦争でじぶんのくにをなくしてしまったの?
どうしてそんなことがあるの?」
「わたしの庭がなくなったのとおなじぶんにだよ。
カルロスのくににはかげもかたちもなくなった。
二どとみつからなかった。だからここにいるんだ。」

 
——————————————
 

「死んだ?」と、チトはさけびました。
「だって、戦争はなかったんだろう?」
「死ぬのに戦争はひつようじゃない。」と子馬はこたえました。
「戦争というのは、とくべつな死にかただよ・・・。
ムスターシュが死んだのは、年をとったからだ。いのちのあるものは、みんな、こんなふうにしておわるのさ。」
チトは、太陽がその光をうしない、まきばが真っ暗になり、そして空気がまずくなったように感じました。不安のしるしです。おとなは、じぶんたちだけが不安をあじわうことができるとおもいこんでいますが、チトぐらいの年ごろのこどもたちにも、感じることができるのです。この不安のなまえは、かなしみといいいます。

 
——————————————
 

じゃ、おじいさんもきっと知らない花をさかせてみたら?とチトは、もういちどかんがえなおしました。どんなにつかれていても、これならめずらしくってきっと目をさますだろう。
しかし、死に、なぞは通用しません。死んだことが、つまりなぞなのです。

 

 

——————————————————————————–
*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。

——————————————————————————–

 

Link: モーリス・ドリュオンの「みどりのゆび」

BOOK LOG一覧はこちら

booklog

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました