湊かなえの「夜行観覧車」

湊かなえの「夜行観覧車」を読む。

先日この小説のドラマが放送されていたばかりなので、ごく簡単にあらすじを紹介。

・舞台は、高台の高級住宅街「ひばりが丘」。
・普通のサラリーマン一家、遠藤家は、背伸びしてここに引っ越し。
・その向かいに住む一見理想的な家庭の小島家。
・昔から住む、地元のドンの小島家。
・物語はこれら三つの家族の視点が変えながら描かれる。
 *「告白」同様の手法。http://hirokinagasawa.com/archives/6556
・理想と思われた高橋家で家庭内殺人が起こり、次男が失踪。
・犯人は誰なのか。
・土地の持つ力、思春期のプレッシャー、家族の絆などなど。
・気になったフレーズ:
「普通の感覚を持った人が、おかしなところで無理して過ごしていると、だんだん足下が傾いてくるように思えてくるんだよ。精一杯踏ん張らなきゃ、転がり落ちてしまう。でも、そうやって意識すればするほど、坂の傾斜はどんどんひどくなっていって・・・おばさんはもう限界だったんじゃないの?」

「夜行観覧車」は、面白かったものの、なぜだかあまり感情移入ができなかった。個人的には、土地と殺人をテーマにした作品では、宮部みゆきの「名もなき毒」が読み応えがあり印象に残っている。また、家庭内の殺人と絆をテーマにした作品では、石田衣良の「うつくしい子ども」に強烈なインパクトを受けた。

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