百田尚樹の「海賊とよばれた男」(下)を読みました。
アツい!幾度となく涙がこぼれ落ちました。
2013年の第10回本屋大賞、百田尚樹による歴史経済小説。
主人公は、出光興産の創業者の出光佐三がモデル。
2016年に映画化作品が公開予定だそうです。
これは読んだ方がいい一冊。
おすすめです
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
店の存続さえ危うくなったときに、鐵造が外地にいる七百人の店員の首をひとりも切らないと宣言したのは、維持などではなかった。国岡商店の将来を信じて南方の地に旅立っていった店員たちを裏切ることは死んでもできなかったからだ。
終戦後の二年間はまさしく塗炭の苦しみだった。店員たちを食べさせるために、荒れ地の開墾、底引き網漁、印刷業、それになれ慣れないラジオ修理の業務と、さまざまな事業に乗り出したが、そのほとんどが失敗に終わった。
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公団の解散は目前に迫っていた。国岡商店はぎりぎりで元売会社となるための最低限の条件を手に入れることができたのだった。
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「私の将来よりも、日本の将来を心配していただきたい。私は原理原則を捻じ曲げることによって、将来の日本の石油産業に禍根を残すようなことはしたくない」
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これが世界最大の石油埋蔵量を誇る国の空港かと思うと、正明は胸を衝かれる思いだった。イギリスは五十年にわたって、この国の財産をほしいままに吸い尽くし、何も与えなかったのだ。イラン国民のイギリスに対する激しい憎悪の理由がわかる気がした。
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東雲は今、国岡鐵造という一代の傑物の、生涯でもっとも美しい決断の瞬間を見た、と思った。
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「航路変更承知、画期的重大任務を自覚、乗組員一同結束固く、意気天を衝く」
重役たちの間に、「おおっ」という声が漏れたが、鐵造は静かに頷いただけだった。
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鐵造は、モサザク政権が倒れたといニュースを聞いて、大きなショックを受けると同時に悲痛なる思いに囚われた。
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「日本は平和な国になりました。本来、日本人は『和』を何よりも尊ぶ民族です。先の戦争では、不幸な争いが起きましたが、これからは日本とアメリカは互いに手を取り合って生きていきましょう。もちろん、積極的に日本に投資してもらいたい」
会場に拍手が起こった。
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「私は店員たちを信頼しているから、そんなものはいっさい必要がないと考えています。自分の社員も信頼できず、タイムレコーダーで縛りつけるようなシステムが、はたして本当の民主主義と言えるでしょうか」
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「お前がいたからこそ、国岡商店は戦うことができた。お前は国岡の刀であるとともに、ぼくの息子だった。お前のことは永久に忘れない。日章丸よ ありがとう」
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鐵造がイラン革命を見て思ったことのひとつのことは、国家にしても会社にしても永遠に続くものは何もないということだ。東洋一のマンモス企業「満鉄」も一瞬にして潰えた。不死身の魔女と思われたセブン・シスターズも二度とかつての栄華を極めることはないだろう。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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