日明恩の「ギフト」を読みました。
第四回 天竜文学賞受賞作、高校生が薦めたい本、第1位だそうです。
死者を見ることができる少年と、自分のせいで上司の子どもを死なせてしまった元刑事が、彼らに訪れる死者を助けていくことで、精神的な成長を遂げていく物語。
レンタルビデオ店員として、ホラー映画を絡めた構成がちょっと新しい。
以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。
そしてみつけたのだ。ずぶ濡のまま、哀しげな顔で彼を見つめている少女を。
ー 宝箱がみつからないの。
そう言うと、少女は俯き、両手で顔を覆ってしくしくと泣きだした。
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どうして?と、答えを求めるような呆然とした母親の目。なぜ?と、問いつめるような怒りに満ちた父親の目。
ー あの子がいたということを、一生、忘れないでくれ。
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ー 静かに。
計らずも頭に浮かぶ言葉が、心に重くのし掛かる。
美沙の願いを叶えたい。そして稔子や犬のように、憂のないところに旅立って欲しい。本心からそう願っている。
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「たあくんが可哀想」
心痛に満ちた声だった。
「あたし、たあくんを助けたいの」
つづいた声は、渇望に溢れていた。
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ー 生きて、生きつづけてくれ。そして。
男の低い声が響き渡る。
ー あの子がいたということを、一生、忘れないでくれ。
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何も考えていないときのほうが、ふとした拍子に他人の顔に気づくものなんだよ。
ー 人は、事実と違う記憶を作るもんなんだよ。
低い声が脳裏にこだました。
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できないわけではない。できるけれど、理由があってできない。その理由とは、自分のせいではない。システムが、習慣が ー。
圭子はひたすら言い訳をつづけた。
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人間は嘘を吐くとき、かなりの率で右上へ視線を送る。経験していないことを言葉にするには言語中枢のある左脳を使い、そして左脳は右半分を動かしているからだ。
逆に本当のことを答えるときは左上を見る。体験があるから考えることなく反射的に答えられる。イメージ脳である右脳が動くからであり、そして右脳は左半身を動かしているからだ。だから過去の記憶を思い出そうとしているときは、視線は左上を向く。
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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。
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