Book LOG | 東野圭吾の「ダイイング・アイ」

 

東野圭吾 ダイイングアイ

 

東野圭吾の「ダイイング・アイ」を読みました。

 

寝起きに手にしたら、はまって、一気に読んでしまいました。

ネタバレ注意ですが、以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。

 

 

その名前の知り合いはいなかった。だが脳の中にある何かを刺戟する名前であることはたしかだった。それが記憶の中の、どの引き出しに入っているものなのか、慎介は必死で考えようとした。だが思い出せなかった。どうやらその名前は「雑多なもの」というラベルを貼った引き出しの奥底に紛れ込んでいるらしかった。

 
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「でも本当は守ってなかったんですか」
「わからない」秋山はいった。「スリップ痕は残ってたけど、何キロだしていたのかはよくわからなかった。以前はかなり正確に割り出せたんだけど、近頃ではスリップ痕はあてにならなくなってきている」
「どうしてですか」
「技術革新のおかげだよ。アンチロックブレーキがついた車の場合、速度とスリップ痕の関係が、従来のデータとは全く違うんだ」

 
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「そう」女は何を思ったのかバッグを開け、口紅を取り出した。さらにキャップを外すと慎介の右手を取った。彼が呆然としている中、彼の掌に数字を書き始めた。十一個の赤い文字が、慎介の手の上に並んだ。

 
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瑠璃子は、あのマネキンと同じ顔をしているのだ。

 
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慎介は足を止めた。止めさせたのは看板に書かれた店の名前だった。

 
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慎介は唾を飲み込もうとした。だが口の中には、ほんのわずかな湿り気さえない。彼は思い出していた。あの時も自分は後部座席にいたのだ。

 
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「正直なところ、自分でもよくわからない。とにかく僕が考えたことは、このまま彼女を警察に渡してはいけないということだけだった。愛情からだといえば格好いいんだろうが、それだけではなかったように思う。だけど、君のいうような打算が、あの瞬間に働いたという記憶もない。強いていえば習性かな」
「習性?」
「雇われ人の、だ」
「なるほど」慎介は頷いた。わかるような気がする。

 
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「あの目はミドリのすべてを奪った。心を完全に殺したといってもいい。事故以来ミドリは廃人同然になった。生きていながら死んでいる、という状態だよ。たぶんあの目が持つ憎悪だとか怒りの力に支配されてしまったのだろう」

 
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「両目共、失明だそうだ」坂巻はいった。

 

 

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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。

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