沢木耕太郎の「深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール」 (新潮文庫)を読む。
2巻目は、マレー半島とシンガポール。
ペナンでは娼婦の舘に宿泊し、女やヒモ達と仲良くなっていく。旅をするにつれ、色々なモノから自由になって行く様子は読んでいて痛快だ。香港の幻影を求めていたことに気がつき、最終的にはシンガポールを出てインドに目指すことになる。
本の中で度々でてくる、現地の人の親切心をぽったくろうとしているのではないかと勘ぐってしまい、別れ際にこれがただの親切以外何ものでもなかった時の自己嫌悪や(またはその逆のパターン)は、僕が学生時代に世界一周をした時に感じたそれを思い出させてくれた。今もなお、ハワイに移り住んでからと言うものの、どこか似た様な思いが人との出会いの中にあったりするのだけど、若いうちに旅をしてきたことで、力を抜きつつ必要に応じては身構えることを学ぶことができたのかもしれない。自由になると言うことは、相手を観る力を身につけることでもあるのだと思う。
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