石田衣良の「チッチと子」

石田衣良の「チッチと子」 (新潮文庫)を読む。

父の日を意識していた訳ではないのだけど、たまたま日本出張時に手にした本。

もともと石田衣良の作品は好きなのだけど、この「チッチと子」は真骨頂だと思った。

石田衣良作品らしい「なにか奇抜なことが起こるのではないか?」と言うハラハラドキドキ感がない代わりに、とても暖かい奥深いストーリー構成となっていて好きだ。

妻を亡くした売れない作家(初版止まりの作家)と一人息子の奮闘物語。
プロットを自分の得意分野(出版社と文壇と作家)に置く事で、今までの作品に比べると取材に裂いてきた作品創りの時間をより内面を見つめる時間に使えたのかもしれない、と感じる。

ま作品創り、一度原点に戻って、得意分野からプロットを創っていくのは、多いにアリだなー、と。

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