村上春樹の「騎士団長殺し」(上)

 

村上春樹の「騎士団長殺し」(上)を読みました。

 

以下、僕の中で「引っかかり」のあったコトバのメモを読んで興味がわいた人は、手に取って読んでくださいね。

 

 

しかしその朝、騎士団長殺しを眺めながら、私の頭からはどうしてもユズの顔が去らなかった。あれはどう考えても夢なんかじゃない、と私はあらためて思った。
きっと私はあの夜、本当に」あの部屋を訪れていたのだ。ちょうど雨田具彦が、数日前の真夜中にこのスタジオを訪れたのと同じように、私は現地つの物理的制約を超えて、何らかの方法であの広尾のマンションの部屋を訪れ、実査に彼女の内側に入り、本物の精液をそこに放出したのだった。人は本当に心から何かを望めば、それを成し遂げることができるのだ。私はそう思った。特殊なチャンネルを通して、現実は非現実になり得るのだ。

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電話のベルが鳴ったのは朝の十時過ぎだった。かけてきたのは雨田政彦だった。
「急な話なんだが」と雨田は言った。「これから伊豆まで父親に会いに行く。よかったら一緒に行かないか?うちの父親に会いたいって、このあいだ言ってただろう?」
明日の午前中にかかってくる電話で、誰かが諸君を何かに誘う。これを断ってはならない。
「うん、大丈夫、行けると思う。連れていってくれ」と私は言った

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おれはCDみたいなものが好きじゃないんだ。ぴかぴかしすぎているし、軒にするしてカラスを追い払うのにはいいかもしれないが、音楽を聴くためのものじゃない。音がきんきんしているし、ミキシングも不自然だ。A面とB面に分かれていないのも面白くない。カセットの音楽が聴きたくて、それでまだこの車に乗っているんだ。新車にはカセットデッキはついていないものな。

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カーステレオからはデボラ・ハリーの「フレンチ・キッスイン・イン・ザ・USA」があ流れていた。我々の会話のバックグラウンドにはずいぶん不似合いな音楽だった。

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「そう。諸君らはここにふたりきりではあらない」と騎士団長が言った。
騎士団長は雨田政彦がさっきまで座っていた布張りの椅子に腰掛けていた。いつもの服装、いつもの髪型、いつもの剣、いつもの身長だった。私は何も言わず、彼の姿をじっと見ていた。

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「心をしっかりと繋ぎ止めなさい」とドンナ・アンナは言った。「心を勝手に動かせてはだめ。心をふらふらさせたら、二重メタファーの餌食になってします」
「二重メタファーとはなんだ?」と私は尋ねた。
「あなたはすでにそれを知っているはずよ」
「ぼくがそれを知っている?」
「それはあなたの中にいるものだから」とドンナ・アンナが言った。「あなたの中にありながら、あなたにとっての正しい思いをつかまえて、次々に貪り食べてしまうもの、そのようにして肥え太っていくもの。それが二重メタファー。それはあなたの内側にある深い暗闇に、昔からずっと住まっているものなの」

 

 

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*企画は身体性。良質な企画は世の中を変える。
*良きインプットが良きアウトプットを作る。

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