佐藤可士和の「クリエイティブシンキング」

佐藤可士和の「クリエイティブシンキング」を読み返す。

これから大きなプロジェクトがはじまるので、ヒントになりそうなことはドンドン引き出しにしまっておかなくてはならない。企画書を作っていない時間は、こうしてピンときた言葉を記しておくのもクリエイティブディレクターにとって大事な「素振り」なのだ。と言うことで、今回読んで気になった言葉は以下の通り。

・「人間同士はたやすく分かり合えない」というのは、裏返せば「だからこそ、誠意を込めて相手のことを理解しようとする姿勢が大切だ」。

・リサーチよりもリアリティ。多くの人が「そうだよね」と共感できるリアリティを提示することが、強く魅力的なコミュニケーションにつながるのではないでしょうか。誰もが体験したことのありそうな思い出や感情を掘り起こし、さらに遡って、子どもの頃に刻まれた草の匂いや水の冷たさといった原体験的な感覚を呼び起こすことによって、思い出の箱のフタがボンと開けられたように記憶が蘇り、心が描き揺さぶられるのではないでしょうか。

・時代に左右されない人間の根っこの部分を掘り起こし、本質的な価値を中心に置く戦略を組み立てることにより、新たな突破口が見えてくれる可能性は大きくなるのではないかと思うのです。

・「デザインはビジョンを形にする仕事です。それを皆さんと一緒に話し合いながらまとめて、そこから初めてそのビジョンを形にする作業に入ります」。委員会の皆さんは、はっと驚かれた様子でした。僕がこの様に言ったのは、クライアントとしてマークを依頼した時点で、既に自分たちのてを離れて、他人事になっているのではないかと感じたからです。

・プロジェクトのビジョンを示すこと。つまり、コンセプトメイキングです。最初にゴールイメージをチーム内で共有することができれば、皆が迷うことなく全力で漕ぎ進んでいけるからです。

・こうした時代背景もあり、コンテンツからコンテキストを作る、すなわちストーリーを描いていくことが、ブランディングの確信だと考えるようになりました。現在だけでなく過去の要素も整理してつなげながら、未来に向けての方向性を作っていくことで、自然とブランドのビジョンを構築できるようになったのです。

・デザインとは、問題を解決するために思考や情報を整理して、コンセプトやビジョンを導き出し、最適な形にして分かりやすくその価値を伝えていく好意です。

・「使ってもらえれば商品の良さを実感してもらえるはずだから」と企業の方はよく口にしますが、それは裏を返せば使ってもらわなくてはその商品の良さが消費者に伝わらないということです。

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